じたばた戦記

外資系大手への転職は、地獄の一丁目

不定期に更新されるじたばた戦記。傷だらけの転職人生を語ります。

第3回は誰もが知っている外資系大手への転職とその後について。すごくつらかった時期で、ぶっちゃけところどころ記憶が抜けています……。

第1回第2回 も読んでね!

さて前回、2社を経てやっと自分の適職がわかった話を書きました。その後はブレずに働けているのですが、1度、転職活動があまりにうまくいきすぎて外資系大手にするっと入れてしまったことがあります。今回はその話を書きます。

初めての大企業

それまでは中小企業が中心だったので初めての大企業、しかも初めての外資系企業です。「入れる実力があったんだよ、へっへん」とうぬぼれたかったんですが、正直、実力というよりも当時募集していた職種がレアで、日本のインターネット黎明期からずっとネットで遊んでいた自分の知識がたまたまぴったりその仕事に合ってしまったがために、するっと入れちゃったという方が正しいです。インディ・ジョーンズなどで「満月の夜の何時にどこかの何かを動かすと石の扉がゴゴゴと開く」とかいうシーンありますが(説明が雑すぎる)、あんな感じです。なので再現性はありません。その後も中規模の企業には入れたのですが、世界規模の大企業には入社できることはありませんでした(いやなぜ過去形?もしかしたら70代で入れるかもしれないじゃん!何かの拍子で!諦めるなー!←往生際が悪い)。

そういえば、この会社の入社試験問題が書籍になっていて(少ない情報から概算した数字を導き出すという「フェルミ推定」のやつです。例:「東京にはガソリンスタンドがいくつあるか?」)、自分も面接で聞かれた記憶はあるのですが、どう答えたのかがさっぱり思い出せません。適当に答えたら「ほお」とか言われて一瞬で終わった気がします(おそらく大した回答ではなかった&レアな職種にはまるかどうかの方が重要でこちらの回答は重視されなかったんだと思います)。

燃え尽きて退職

入社した後もいろいろありましたが、オンラインミーティングや米国出張などもこなし、なんとか担当プロダクトのローンチ(サービス公開)を果たしました。仕事で実力が最も上がり、英語力も向上、大企業での仕事の進め方を会得し、その後の仕事にも活かせるプロジェクトマネジメントのスキルも身についた時期だったと思います。そしてそのままバーンアウトして辞めちゃうんですね。今だと「もう少し(せめてあと半年)しがみついとかんかい!」と思うのですが(なぜならこの頃、IT不況真っ只中だったからです)、いろいろなことを我慢して「サービスが公開されるまではなんとかがんばるんだ!」と思っていたので、いざ公開されたら真っ白な灰となって燃え尽きてしまいました。

結局在籍したのは2年くらい。大企業なので社内転属制度もあったんですが、レアな特殊職種で入社していたものだから、転属先を探して他の部署の方とお話しまくってみても、結局のところ合う部署が見つかりませんでした。

地獄のはじまり

退職後は貯金で食いつなぎながら、IT系の学校に通いつつ転職先を探したんですが、このときの転職活動が本当につらかった。地獄でした。

ITバブルがはじけた直後でそもそも募集が少なかった上に、なまじ前職が有名企業だったために「なんであんな良い企業そんなにすぐ辞めたんですか」「問題でも起こしたんですか」とものすごく怪しまれました。怪しまれない場合でも、「うちはあの会社みたいな給与出せませんのでね」と冷たくあしらわれたり(こちらが待遇について何かを言う前に。いや先制攻撃だったんでしょうか)、人材紹介会社に登録したところ、「あなたに紹介できるような仕事はありません」的な紙のお手紙を送られたこともあります(せめてメールで送ってきてほしかったですよ、ダメージでかかったです)。

あ、この人材紹介会社、何年か後に「うちに登録しませんかー?」と軽く言ってきたことがあり、「あのときのことを忘れたのか!」とびっくりしました。まあ紙のお手紙と言ってもそんなに深い意味はなく、重く受けとめる必要はなかったのかもですね。

九死に一生を得る

結局、貯金が尽きる前に前職のレア職種と少し関係がある職種でベンチャー企業になんとか潜り込むことができ、飢えずに済みましたが、なんというか、有名企業に入社しさえすれば安泰で人生楽勝、なんていうことなどないんだなあとしみじみ思いました。

いえ有名企業に10年、20年と在籍し続けられるのならば、それで良いと思うんです。知人でそういう人もいます(米企業だとレイオフも多いのに、継続できているのがすごいです)。でも万が一のことを考え、退職した後のことも考慮しておく必要もあると思いました。少なくとも退職のタイミングは景気動向を見ておかないと危ないです。

あとレアすぎる職種は危険だと身にしみたので、もう少しつぶしの効く職種にしようとかたく心に誓いました(このときこう決めたのが幸いしています。今はもうこの職種はなくなってしまっているので。テクノロジーの進化ってすごい)。

ベンチャー渡り歩き人生の始まり

拾ってくれた会社にはベンチャーならではの緩さや自由さがあり(反面「いい加減」でもありました)、「自分みたいなローリングストーンタイプにはベンチャー企業が合うかも」と考えはじめました。ここからがベンチャー渡り歩き人生の始まりです。

次回は「急にインドに行くことにしたよ」について書きたいと思います。続く

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